【沈む島の真実 キリバスから】“常識”通じないごみ(産経新聞)

 小さな島がヒョロヒョロとつながったキリバスの首都・タラワには、幹線道路が1本しかない。“幹線”といっても、片側1車線で長さは60キロほどだ。両側には、パンダナスの細長い葉で葺(ふ)かれた高床式の伝統的な家が立ち並ぶ。しかし、この美しい環礁島の道ばたに視線を落とすと、無数のごみが捨てられていることに気づく。

 ごみは空き缶やお菓子の袋、ペットボトルなど“地球に優しくない”ものばかりだ。商業街のあるベシオ地区のラグーンには特大のごみ集積場もあった。ただし、空き缶以外は分別せずにひたすら集めて砂をかぶせて埋めるだけ。缶の分別も、数年前に始まったばかりだという。

 なぜ、世界有数の美しさを誇る環礁島がごみだらけになっているのか。

 「資源の少ないこの国では、食べ物のほとんどが輸入したレトルト食品。だから、ごみもとても増えました。私は温暖化よりも、ごみばかり増えてしまった今の生活が“島を沈めて”いるように思うんです」

 同地で唯一の単科大学「キリバス・ティーチャーズカレッジ」で地学を専攻するテレレア・アロバスさん(19)は訴える。5人兄弟の上から2番目。タラワに家族10人と住む。

 そもそも、キリバスの人々は、魚や痩(や)せた土地でも育つタロイモなどを食べる自給自足の生活を送っていた。ごみはバナナやヤシの皮といった自然に返るものだけで、みんな海に捨てていた。ごみは海に流す−。それはごく当たり前の感覚なのだ。

 しかし、近代化とともに海外からレトルト食品が輸入されて食べるものが変わった結果、ごみの中身も変わってしまった。

 豪州やニュージーランドから船で届く食品は、決して安くない。キャベツは1玉10〜15豪ドル(1豪ドル=約75円で750円〜1125円)、ひからびたニンジンが1本1豪ドル、卵は1個70セントだ。一方、特大サイズのチキンの缶詰が2豪ドル50セント、即席めんは2パックで1豪ドルと、野菜に比べてレトルト食品は安く、多くの人が利用する。

 「東京はテレビでしか見たことがありませんが、人が多いのに街がとてもきれい。キリバスもお金を増やし、先進国並みのごみの処理方法を学ぶ時期にきていると思う」

 こう話すアロバスさんは今年9月から豪州の大学に留学。将来は、商社に就職し、日本や欧米諸国に押されがちなキリバスの漁業市場を拡大させたいという。

 「ここは私のふるさとですから。そのためにも、この島を絶対に沈ませてはいけないと思っています」(今泉有美子)=随時掲載

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by 6adf7xtnsb | 2010-06-15 19:27


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